(「ママ友」について書くとは思わなかった)「ママ友」変遷記

ママ友を作るのが苦手な人よ、お前もか?---kobeniの日記 を読んで、kobeniさまに捧ぐ


我が家の子供たち(長男大学3年生、長女高校3年生)が小さかった頃、二人を連れていると電車の中やスーパーのレジ待ちの列で見ず知らずのオバサンに、

「今が一番いい頃よぉ〜」

と突然言われて、

「はあ?◯△□▽?」

で、意味が全くわからなかった私ですが、時は過ぎてこうして、多分年齢的には一回り以上違うkobeniさんのような方に対して、かつて私に話しかけてきた見ず知らずのオバサンの如く子育てに関して何かを伝えたくなるなんて、想像もしませんでした。
私も、なかなか友人を作るのが苦手、というか、苦手の癖に色々と注文の多いタイプなのですが、だからこそ今友人たちの顔を浮かべてみると、半数以上が二人の子供たち関係の「ママ友」だと気づいて、分不相応な幸せを感じています。つまり「ママ友」でありながら突き詰めればやはり自分自身の友であり、そしてその友こそ人生を豊かにしてくれるものだからです。以下私の個人的な経験&感想ですので、他の方の多様な経験談も勿論参考になさってくださいね。


「ママ友」と言うからには、子供の存在を前提とした「友」だと思うのですが、

1.子供はその子と遊びたがるが、その子のママとはお近づきにはなりたくない場合
2.子供同士は積極的には遊びたがらないが、その子のママと自分は気が合うか、お近づきになってみたい場合
3.子供同士も気が合い、ママ同士も気が合う場合

と分けられると思います。それも子供の年齢で違ってくると思いますので、以下年齢に沿って書いてみます。

・子供が3歳くらいまで
はっきり言って、誰と遊んでも子供は同じです。「昨日誰と遊んだか?」もまだわからない年齢です(決してアルツハイマーではありません)。ですから、あなたの意志が優先します。あなたが「ママ友」というよりも、「友」になりたいと思った相手にアプローチすれば(もしくはアプローチを受ける)よいのです。つまり上記の2、ですね。ただ、公園や児童館で出会うママたちは、本当に様々です。学歴などのバックグラウンドや、夫の職業や、生活の仕方も、外見からだけではとても測りきれません。こちらが聞きもしないのに「夫の月収は100万円近いの」と喋る全身ブランド品で固めたママが、てっきり医者の妻かと思いきや、飛脚のマークの運送会社ドライバーだった(つまりその月収は正しい)、ということもあり、なかなか見極めが難しいのです。また公園でちょっと話したくらいの人間を我が家に招き入れるのも、このご時世考えものです。kobeniさんがお書きになっているように、今はTwitterもあるし、掲示板もあるし、ブログもやっていらっしゃるのですから(私の時代にはなかった!)、この期間は割り切って、リアルのママ友とは、「その場限り」くらいのつもりでもいいかと思います。その中で奇跡のように自分と気の合う「ママ友」を見つけられたらラッキー、くらいの気持ちで。人付き合いが苦手だとか殊更考えることないと思いますよ。無理して自宅でお茶会しても疲れるだけです。やりたい気分の時にやりたいようにやればいいのです。「ママ友」付き合いのキーワードは、
体力温存と無償の愛
です。後々まで疲れが尾を引くようなことはする必要ないし、また「ママ友」の付き合いに見返りを求めてはいけません(「私がこれこれやってあげたのに、相手は何もしてくれない」等々)。おまけに子供自身は、まだ友達付き合いに関して何の意志もない状態なのですから無駄な頑張りは不要です。

・3歳以降、小学校入学まで
さて、本格的な「ママ友」作りは、子供が3歳を過ぎた頃あたりからだと思いますが、子供もこの年齢になるとまがいなりにも「◯◯ちゃんと遊びたい!」という意志が出てきます。先ずはそれを尊重してあげましょう。いいトシした大人が「ママ友」選びであれこれ考えてしまうのに、我が子ながら子供はどんな基準で友を選んでいるのかを観察するとそれもまた面白いです。子供は何の偏見もなく遊びたい友達を選んでいますからね。親もこれ幸いとばかり◯◯ちゃんと遊ぶ機会を積極的に作ってあげればよろし、そして自然とその◯◯ママとも話す機会ができます。その◯◯ちゃんのママと自分の相性は蓋を開けてみてからのお楽しみ。
子供同士が仲良くて、そのママとも話してみたら、自分ともすごく気が合うことがわかった、ということもあります。今高三のムスメが幼稚園の時からの「ママ友」とは今でも映画に行ったり、ランチをしたりの仲です。彼女の場合は実は、変な言い方だけど私は最初ノーマークでした。「ノーマーク」というのは、私も相当友達選びが難しいところがあって最初から無邪気にわいわいできるタイプではなく、彼女は彼女で下にまだ赤ちゃんがいてあまりママたちの集まりに出てこられない、という環境の中、子供たち同士が「絶対に遊びたい!」とお互いがお互いの母親にねだって家を行き来するようになり、「ああ、こういう人がいたんだ。」と思った次第。これは幸せなパターンです。上記の3のパターン。もっとも最近では彼女と会って話す度に、盛り上がるのは、JKのムスメに対する愚痴、なのですがね。勿論、いくら子供同士が仲よくても、あのママとは付き合いかねる、ということもあるでしょう。そういう場合は、あなたの許容できる範囲内で、子供が遊びたいという◯◯ちゃんと遊ばせればいいことで、その反対に子供同士はあまり遊ばないんだけど幼稚園や保育園の親の流れで何となく親子で遊ぶことになった、という機会も増えると思います。それはそれで流れに乗るのも良し、孤高の道を歩むのも良し。幼稚園の「ママ友」世界は実は意外に続きません、直に小学校です。小学校入学というのは、子供にとっても親にとっても大きな区切りであり劇的な環境の変化ですから、それまでの人間関係もどこかに消えていきがちです。
kobeniさんをshrinkさせるつもりはないのですが、「幼稚園ママ」というのは、まだ人格的に未熟な女たちが学校時代以来群れになる、しかも子連れで、ということで奇妙な高揚感があり、力入りすぎちゃっている人もいて疲れることもあるでしょう。子供の方も女の子なんかでマセこけた子になると、我が家に遊びに来ていきなり私のところにつかつかとやってきて、
「おばちゃん、今日私のことよんでくれたから、△△ちゃん(我が子)、わたしんちに一回遊びにきてもいいよ。」
というのもいますからね。きっと親が、「どこに何回よばれて、何回自宅によび返した。」とカウントしているんでしょうね。また、子供の友達を数人自宅によんで遊ばせていたところ、他の子供の母親から電話があり、「どうして、ウチの子をよんでくれないの?帰り道、みんなが楽しそうにあなたの家に行くところを見て、ウチの子は淋しい思いをしているのよ。」と言われた友人もいます。これは幼稚園ママにありがちな、たちは悪いけれども一過性の熱病のようなもので、子供が小学生になると自動的に完治します。

・小学校以降
小学校入学後は、親子セットで友達付き合い、ということは段々なくなってきますが、逆に「ママ友」ができる割合が高くなってくる気がします。子供を介しての付き合いなのに、もう子供の意志なんて関係なくなるからでしょうね。学校の役員とか当番とかで出会うママたちの中には、そうやって子供が通う小学校を介して知り合わなければ、到底知り合えない人たちもいます。例えばやはり今でも付き合いが続いている或る「ママ友」は、息子同士が小学校一年生の時の出席番号が前後だった、という縁で何となく付き合い始めた人ですが、私と一回り近く年齢も違うし環境も違いますが、子育てに関して長らく喜怒哀楽を共にし、私は「人生の師」と崇めています。でも「ママ友」としてでなかったら彼女と出会うことは私の人生ではなかったでしょう。今でも彼女にあと数人を加えて年に一、二度会いお酒を飲む仲です。面白いことに、子供同士は全然タイプも違い、一緒に遊ぶこともなかったんですよ。
子供が中学・高校になっても、「ママ友」ってできちゃったりするんです。もう益々子供は関係ありませんね。最初のきっかけである唯一の共通点は「子供が同じ学校に通っている」ということだけなんですが。この年齢になってからの「ママ友」もなかなか面白いです。ホント、色々な人がいます。けれども、嘗て同じ時期に妊婦として大きなお腹をかかえ、同じ年に出産し、それから同じ年月かけてここまで子供を大きく育ててきた、という、妙な連帯感があって、寧ろ子供が小さい頃よりも親しくなる速度が早い気がします、お互い世間に揉まれてきてますしね。流石にもう幼稚園の時のような、常軌を逸したママはいません(?でもないか?)。


学生時代の友というのは減りこそすれ増えることはありません。お互いの環境の違い、住んでいる場所が離れている、等々で段々疎遠になる人が増えてきます、それはそれで残念なのですが。
そんな中、友人作りが苦手な人ほど「ママ友」という友が出来る機会は貴重です。「ママ友」という形でなければ自分にはこんなに友がいただろうか?と思います。もっとも「ママ友」であれ年月と共にフェイドアウトしてしまう人も勿論いますけどね。
「ママ友」というように、「ママ」であればこその出会いのチャンスなのですから、kobeniさんもこのチャンスを行使しない手はありません。是非、「ママ友」ワールドを堪能してください。
私は年代的に、リアルの「ママ友」とネット上の「ママ友」の区別というか付き合い方の違い、というのはわかりません。けれども、今はきっと両方なくてはならないのだということは了解できます。両方の最適なバランスを見つけられるといいですね。