子供たちは如何にして、デジタル社会で育ってきたか? ①


高校三年生のお嬢さんをお持ちの「ちゃずけのきろく」氏のブログ、
デジタルネイティブ・覚え書き(?) ちゃずけのきろく
を読んで、雑感。

「ちゃずけのきろく」氏と同じく、我が家には受験生の高校三年生の娘がおります。
我が家の娘は昨秋からiPhoneユーザーですが、片手でメール打ちますし、急いでいる時には両手を使っての「フリック打法」でもの凄く早いですよ。
Twitterもやっていて、否、かなりの中毒で、受験生の親としては言いたいことは山のようにあるわけですが、Twitterならではの勉強法もあるわけで、これは2chにも似たようなものがあったと記憶しますが、勉強した内容/時間をTweetするハッシュタグがあるのですね、#nowstudyingjp の大学受験版、というか。これが彼女の勉強に対するモチベーションの大きな部分であるので、頭ごなしに「受験生はTwitter駄目!」とは言えません。どのみちもう時代がこうなのです。投げやりに言うのではないのですが、高校生で携帯持ってiPod持って、というのがデフォルト化している今、昔の尺度の「良識」で何言っても通用しませんしね。

さて、「ちゃずけのきろく」氏に触発されて、我が家の子供たちのデジタルネイティブ」の歴史を振り返ってみようと思い立ちました。
私も夫も「真性文系」で、メカにはからきし弱いところが「ちゃずけのきろく」さんとは違うところで、ですから正確に言うと娘は「ネイティブ」ではなく、娘が一歳になる直前に、我が家は最初のパソコン、MacPerforma を買いました。
娘はそれこそ「キッドピクス」*1でお絵描きをし、
「おばあちゃんとぼく」

を飽きるまでクリックしまくって遊びました、幼稚園の頃でしょうか。
娘が小学校に入った頃、パソコンを何故か(文系夫婦は節操がない)VAIOに買い替えました。その頃、今は懐かしいPostPet*2のメールアドレスを娘は持っていましたね。あのピンクの熊モモちゃん

がメールを配達してくれるヤツです。
小学校6年生で、親の転勤でドイツのインターナショナルスクールに通うようになって、娘の「デジタル度」は一挙に上がりました。インターナショナルスクールでは、中学生でも宿題のレポートはメールで先生に送って提出、というのが普通で、そのレポートに写真や図を入れると当然のように評価は上がるわけですから、「必要は発明の母」ではありませんが、親が教えなくても、Officeくらいは使えるようになっていました。ちなみにドイツ滞在中にVAIO様が天寿を全うされました。外国でパソコン壊れたらもの凄く困るのです。ドイツの大型家電店にも、VAIO売ってますが、キーボードはドイツ語配列、勿論OSもドイツ語なのです。そこで、BIOSTAR*3という、聞いたことのない台湾製のパソコンを安いというだけで買って(VAIOはもの凄く高かったので)、そしてそこに海外で買うととても割高な日本語のWindowsを入れました。
また一応Vodafonの携帯を持たせていたのですが、これが日本のものに比べてちゃちいこと。携帯メールが日本のようには発達していないドイツでは、子ども同士のメールは全てPCでした。そしてメール以外に、MSNのMessenger です。当時私は娘とその韓国製BIOSTARを共用していたのですが、私がPCを使っていると頻繁に娘のボーイフレンドのマメオ君からのメッセージが立ち上がるので、閉口したものです。そしてインターナショナルスクールの生徒たちにとって必須のものは、何と言ってもFACEBOOK」。不思議に日本では、やっている人は少なくないですか?これまた不思議なことに、ドイツに住んでいる日本人の中高生たちにはmixiも大流行りでした。当時(2004~2007)は18歳以下は年齢制限でmixiに入会できなかったはずなのですが、何故かみんなやってましたね。iPod はほぼ家族全員同じ時期にnanoを買い、旅行する時には一家全員イヤホン耳に突っ込んでいる、という変な家族でした。
さて2007年夏に帰国してすぐに「憧れの日本の携帯」を持たせました。docomoです。親の方は同じ機種を買って、分厚いトリセツ2冊と格闘しているというのに、そんなもの読みもしないのに使いこなしていたあたりは、さすが「デジタルネイティブ」なのでしょうかね?
帰国半年後、無事第一志望の高校に合格した帰り道、彼女は貯め込んでいたお年玉等々で、iPod touchを買いました。当初2,3ヶ月の間、大変迂闊だったのですが、このiPod touchは音楽を聞くだけでなく、ネットが見られる、ということを私は知りませんでした。我が家では未だに携帯(今はiPhoneですが)の充電器はリビングにしかありません。夜自分の部屋に携帯電話を持ち込むことを禁止しています、「メール打つなら、リビングで打ちなさい。」と言ってあるのです。しかし、このiPod touchがあれば自室でyoutube見ることもできるし、mixi見ることもできるとは知らなかったのです。・・・でも今色々な親御さんを話していると、知らない人多いですけどね。
docomoの携帯は使う、というよりも、娘は使い倒していました。昔にはない使い方だと思った一例は、彼女が友達にわからない数学の問題をメールで尋ねた時の事。その時に電車に乗っていたその友人は、自分のノートの解答の部分を携帯のカメラで撮ってそのまま送信してくれた、ということがあります。このスピード感、というのが象徴的なデジタルの醍醐味の一つかもしれません。
一方帰国と同時にMacBookを買って(本当に節操がないですね)、私と共用しているので、娘はMacWindowsと両方使えます。私は歳のせいで、やっとMacに慣れた今は、Windowsのパソコンは使えなくなりましたけど。私としては今ではMacの方が使い勝手がいいのですが、娘にとっては色々と不便があるようです。中でも一番の不便というのは、受験生である娘は、某東進予備校というところに行っているわけですが、そこではわざわざ予備校に行かなくても家のパソコンを使ってDVDで授業を受けることができますし、「VOD授業」といって、ネットに繋がったパソコンがあればどこででも授業が受けられるシステムがあります。こういうシステムの殆どはMac 非対応」、なのです!この授業のために我が家は3万円台でAcerネットブックを購入しました。Windows7が入っているだけで、Officeも何も入っていないものです。「DVDで授業だなんて、生の講師の授業の方がいいに決まっている!」と普通だったら思いますよね。私だって最初はそう思いました。しかし、この時代を目が曇ることなく生きていくには、先ず先入観、というか、臆見を捨てなくてはなりません。別に某東進予備校の宣伝をするわけではありませんが、その「DVD授業」や「VOD授業」の数々の利点を列挙しますと、

・1,5倍速で授業を聞くことができる。
つまり90分の授業を60分で聞くことができるわけですし、自分がよくわかっている箇所は1,5倍速で聞き、苦手なところになると通常のスピードで聞く、ということもできるわけです。
・わからないところは何度でも繰り返し聞くことができる。
実際の授業だと、一度聞き逃したら、「えっ、今何て言ったの?」と思っても、講師は次に進んでいますが、DVDやVODだと巻き戻して何度も聞けます。
・講義のレベルが高いこと
講師側にとっても録画ですから、一番調子が良いときに、最高に近い授業が録画されているはずですから。
・予備校に通う通学時間、通学交通費、等々がかからないこと。
・夜遅くなった場合の駅までのお迎えの手間が要らないこと。
これは娘を持つ親にとっては切実です。

といういいことづくめ、なのですね。これは別に去年や今年に始まったわけではなく、予備校や専門学校業界ではひたひたと数年前から始まっているようです。ということは、娘にとっては「最初からそこに在った」ものであり、特別なことをしている、という意識はないようです。

そして去年の秋からは、我が家一家4人総出(?)でiPhoneですから。
またまた一家全員でiPadになる日も近いのではないかと思います。


こういう生態を当然のように持つ「デジタルネイティブ」が続々と育っているわけで、何かのご参考になりましたら、と思い、筆をとった次第です。


我が家のもう一匹の「デジタルネイティブ」については別稿で。