社会

 「服従」(ミシェル・ウエルベック著)が描くのは男性にとっては実はユートピアで、女性にとっては絶望のディストピアであるということ

読後感があまりに酷くて、書評を書く気にもなれなかったのが、この本「服従」(ミシェル・ウエルベック著)です。 念のため、作品が酷いのではありません、作品自体は高度に洗練され教養に溢れた近未来小説の傑作と言えるべきものです。 酷いのは、読後感、…

 毎日新聞記者・須田桃子氏の「捏造の科学者」を読んでもSTAP細胞問題は見えてこない

前のエントリーで、駄本を3冊紹介したのですが、新年明けて読んだ今年第一冊目の本がこれまた駄本だったので、その残念さを改めて紹介します。 毎日新聞科学環境部の記者で、STAP細胞事件の記者会見でおなじみの(?)須田桃子氏による「捏造の科学者」捏造…

 大義なき総選挙が終わって、何事もなかったかのような師走の日々です。

安倍首相が、「アベノミクスを問う選挙」と言って解散した師走の総選挙が終わって、一週間が経ちました。何事もなかったかのような、選挙などなかったような師走の日々が流れております。 2009年夏の政権交代の選挙の後は、「政治が変わる」という期待と空気…

 「この道しかない」という政党に投票すべきなのでしょうか?

奇しくも、昨日12月8日は73年前に日本軍が真珠湾を攻撃した日ですが、あの戦争も、「ABCD包囲網によってジリ貧になるくらいなら、『この道しかない』」ということで始められた戦争でした。解散前、絶対安定多数を猶に超える295議席を有していた最大与党が「…

めいろまこと谷本真由美氏は、AO入試を批判していますが、では大学付属校はどうなのか?

慶応大学法学部の学生青木大和氏が、小4を詐称したサイトを作って即バレした余波といいますか、青木氏が代表のNPOやら、青木氏が慶応大学をA0入試で受験するにあたってお世話になっていた「AO義塾」とやらの予備校の代表の「ポエム」やら、次々と芋づる式に…

 超がっかり!! 小室淑恵氏著「子育てがプラスを産む『逆転』仕事術 産休・復帰・両立、すべてが不安なあなたへ」を読んで

子育てがプラスを生む「逆転」仕事術 産休・復帰・両立、すべてが不安なあなたへ (メンターBOOKS)作者: 小室淑恵出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2014/01/21メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る私は、Kindleで読みました。子育てがプラ…

単なる「うちわ」の問題ではない、蓮舫氏と松島みどり法務大臣の国会質疑応答

10月7日に行われた参議院予算委員会での質疑応答。 このYoutubeの動画のコメントを見ても、「くだらない」「貴重な時間と経費を掛けて行う議題では無い」「どうでもいい」というコメントが殆どなのですが、それは事の本質を理解していない上でのコメントでは…

 今の時代、女子校に娘を入れる意味とは?

女子校出身者が娘を女子校に入れたがるワケのうちの一つかなあ。 コメント欄を見ると、個人の経験に基づくご意見がだーっと並んでいたので、怖じ気づいて自分のブログにエントリーを書くことにしました、反対意見ですし。個人的経験を排して、書いてみたいと…

 公開された「吉田調書」を読んで  朝日新聞の誤報と、安部首相のメルマガの誤報

「吉田調書」こと、政府事故調査委員会ヒアリング記録が内閣官房により公開されました。 政府事故調査委員会ヒアリング記録 で、新たに公開された「吉田調書」が報道されている翌朝の朝日新聞と日経新聞を読みました。 朝日新聞には、おまけで木村伊量社長の…

  笹井氏の自殺を許せません。

丁度、52歳と5ヶ月生きて去る8月5日、笹井氏は自ら命を絶ちました。 「笹井氏自殺」の報を受けて、報道やSNSでの笹井氏に関する論調がガラリと変わりました。笹井芳樹という科学者は、ノーベル賞を受賞した京都大学の山中教授に勝るとも劣らない、世界的にも…

確かに小保方氏の問題は「リトマス紙」であること 2ヶ月で打ち切られた理研の調査について 雑感 

window.twttr = (function(d, s, id) { var js, fjs = d.getElementsByTagName(s)[0], t = window.twttr || {}; if (d.getElementById(id)) return t; js = d.createElement(s); js.id = id; js.src = "https://platform.twitter.com/widgets.js"; fjs.paren…

小保方氏の、公開された実験ノートを見て 雑感

予想通り、というか、予想外、というか、予想以上、というか。 小保方氏の代理人である弁護士が公開した小保方氏のノートの件です。 あちこちで見られますので、ここでは敢えてリンクは貼りませんが、マウスのスケッチと、「陽性かくにん!よかった。」「♡」…

 何故教師は、「我が子よりも教え子」の入学式を優先すべきなのか? 考えてみました。

埼玉県の県立高校に勤務しており、今年度新入生の担任でもある教諭4人が、自身の子供の入学式に出席するために、勤務先の高校の入学式を欠勤したことが、賛否両論をよんでおります。4月23日の朝日新聞朝刊社会面でも、 担任が出席すべき入学式は、我が子か、…

小保方氏に対する、めいろま(May_roma)こと谷本氏の暴走&迷走があまりに酷いので

私もファンであった、めいろま(May_roma)こと谷本真由美氏が、暴走&迷走中です。 立て続けに、小保方氏のSTAP細胞論文と、彼女の会見を批判する発言をしています。 それをリストにしてみました。題して「めいろまリスト」。1 BLOGOSメルマガ 週刊めいろま…

小保方氏の会見に対する、May_roma氏こと谷本真由美氏の批判は、公平でないと思うこと

May_romaこと谷本真由美氏のネット上の記事は愛読していて、ケチな私がメルマガ(BLOGOS)も講読しているし、twitterも時々読んでいるし、本も数冊は読んで、はてなダイアリーで書評まで書いています。 どころか! 今Amazonの注文履歴を見たら、私、谷本氏が…

「世界最高水準の安全性」と言う、「世界最低水準の感受性と想像力」しかない安倍首相

いつからだったか、安倍首相が口にする「世界最高水準」という言葉が、私は引っかかって仕方ありません。 世界最高水準のIT社会を実現 (2013年3月28日 政府IT戦略会議) 福島の事故を乗り越えて、世界最高水準の安全性で世界に貢献していく (2013年9月25日…

*忘れられかけている頃に考える、「佐村河内」問題

3月7日に行なわれた、佐村河内氏の謝罪記者会見、ネット上の動画で全部を見ました。 2時間半を越える長い会見でした。会見後の報道やネット上の意見では、佐村河内氏への批判や非難は、会見前よりも寧ろ厳しく激しいものになっています。私は、少し違う感想…

「帰ってきたヒトラー」を読んで 雑感 この本がドイツでベストセラーとなった意味

帰ってきたヒトラー 上作者: ティムールヴェルメシュ,森内薫出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2014/01/21メディア: 単行本この商品を含むブログ (31件) を見る帰ってきたヒトラー 下作者: ティムールヴェルメシュ,森内薫出版社/メーカー: 河出書房新社…

田母神氏と宇都宮氏は、実はよく似ている

今回、共に東京都知事選挙に出馬した、田母神俊雄氏と宇都宮健児氏は、実はよく似ているのではないでしょうか?いえ、どこにでもいるような小柄な昭和のおじさん、という外見の話ではありません。 ネアカでサービス精神たっぷりの話し好きのおじさん、という…

*ソチオリンピックの開会式を見て、4年後の平昌オリンピックと6年後の東京オリンピックを心配することなど

ソチオリンピックの開会式を見ていて、色々と感じるところがありました。五輪の輪が、四輪になっていたことについてではありません。 「ロシアの歴史」を扱った壮大なあのアトラクション。 ソチオリンピックの開催を文字通り先頭に立って引っ張ってきた、プ…

 日本のリーダーとしての安倍首相の言動に対する違和感について

こういう現実の展開もあったと思うのです。 2012年暮れの総選挙に大勝して長期政権を望める政権を発足させた、日本のリーダーたる総理大臣が、先ず在任中は、靖国神社には参拝しない、と宣言。2012夏に尖閣諸島問題で排日運動が吹き荒れた中国、竹島及び慰安…

 永遠の問い「持ち家か?賃貸か?」 60歳から90歳までの30年間だけでなく  ド素人の雑感

一生賃貸で暮らすにはどのくらい蓄えが必要か 「まさか」に備えるための全課題 PRESIDENT Online 筆者の方のプロフィールを見ると、数々の国家資格を取得していらっしゃり、著書も数多く出されている方のようなので、私のようなド素人が楯突くのも気が引けま…

ケネディ駐日大使の「イルカ追い込み漁」に関するtweetが意味していること、を考えてみました。

キャロライン・ケネディ駐日大使が、twitterでイルカの追い込み漁について「深く懸念している」(Deeply concerned)と発言されたことが話題になっています。そのtweetを見ました。 英語と日本語と両方でtweetされているので、それぞれにRetweetがされていま…

 ユーミンの歌が流れない時代  酒井順子著「ユーミンの罪」を読んで 雑感

ユーミンの罪 (講談社現代新書)作者: 酒井順子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2013/11/15メディア: 新書この商品を含むブログ (24件) を見る ユーミン聴いて青春過ごした世代なので、大変面白く読ませて頂きました。が、今この歳になってユーミンを聴くこと…

 クリスマス疲れから、日本のお正月を取り戻す!  「和食」のユネスコ無形文化遺産登録に寄せて

去る12月5日に、我が日本の「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録されたそうです。それ自体はとてもおめでたいことです。農林水産省のホームページ*1に出ている、 ユネスコ無形文化遺産に登録申請した「和食;日本人の伝統的食文化」とは という説明には、…

*「中高の英語の授業を英語で行う」という、きっと誰も責任とらない愚行について

安倍政権になって下村文科大臣のもとで発表される、教育改革に関するニュースは、毎回毎回、日本の将来を思うと溜め息が出るような暗いニュースばかりです、大学入試を「達成度テスト」に替え「人物重視」の試験にするだの、「道徳」を教科化するだの、小学…

「特定秘密保護法案」が強行採決される直前に  小田嶋隆氏のコラムを読んで 雑感

今日にも強行採決されそうな見通しの、「特定秘密保護法案」について、小田嶋隆先生がコラムを書いていらっしゃいました。 うんざりするほど当たり前のこと:日経ビジネスオンライン 小田嶋氏はこうおっしゃいます。 タイミングのことを言うのなら、5カ月前…

山本太郎参議院議員が園遊会で天皇陛下に手紙を手渡したことから 雑感

山本太郎参議院議員が、10月31日に赤坂御苑で開かれた「秋の園遊会」において、天皇陛下に手紙を手渡したことで、各方面に物議を醸しています。 私もこのニュースを見て驚きはしましたが、その驚きは「私には、そういう発想(天皇陛下に一般国民から手紙を渡…

 「女性活用」に関しての”ポジション・トーク”(私製英語)を考えてみる

「ポジション・トーク」という言葉があります。 これは和製英語だそうで、「ポジション」とは「立場」のことではなく、「金融市場で売買はしているけれども決済はしていない建玉」のことで、保有している自分の「ポジション」について「風説の流布」すれすれ…

某事件について

SNSで出会う、ということ被害者と加害者が出会ったのは、SNS、facebookだと言われています。 「『facebook』は実名だから安全」と言われていたのではなかったのか? 確かに、twitterだと書かれているプロフィールが真実なのか偽なのか、確かめる術はありませ…