プチ整形や美魔女は「エイジングストレス」の解消になるのでしょうか? NHK「あさイチ」の「エイジングストレスと戦う女たち」を見て 雑感

NHKの「あさイチ」で、「エイジングストレスと戦う女たち」という特集をやっていました。

先ず「エイジングストレス」とは何ぞや?ということなのですが、
加齢により体型や容姿が変化することによる、自信喪失や不安などのストレス
ということのようです。


では先ず番組のウェブサイトから。

今回は、年を取ることに強い不安を持つ“エイジング・ストレス”と闘う女性たちを取り上げました。
今やアンチエイジングの市場規模は3400億円ともいわれ、40代でプチ整形をする女性も急増。若さを追求する“美魔女”たちの勢いも衰えを見せません。
その一方で、お金や時間をかけて若さを求めるのをやめ、“自分らしく”生きていくことを選んだ女性もいます。
“若さ”がもてはやされたバブル時代に青春時代を過ごしたアラフォー女性たちは、“エイジング・ストレス”にどう向き合っていけばいいのか。

最初にVTRに登場したのは、「プチ整形」(「プチ整形」とは、メスを使わない整形のことだと初めて知りました!)をした女性二人。
一人目の45歳の女性は、プチ整形でほうれい線と頬のたるみをとり(28万円也!)、
「20代のように若くなることは望まないけれども、老いていくこことがゆっくりだといい。年齢を重ねて『昔に帰りたい』と思った時にそれが『整形』という形で戻れて、自分が満足したら自信をもって色々なことに堂々とできる。」
とコメント。
二人目の48歳の女性は、顔を出さずに取材に応じていて、
「32歳の時に子供が描いてくれた私の似顔絵で、私の額に一本しわがくっきり描かれていたのがショックで整形を始めた。パートをしてこれまでプチ整形(額のしわとり、二重まぶた、ヒアルロン酸、プラセンタ、顔のレーザー脱毛)に50万円注ぎ込んだ。けれどもこれ以上整形したら変なおばあちゃんになってしまいそうで、いつかは美容整形を止めなければいけないと思っている。」
とコメント。


まあ、いいですけど。
一人目の女性は、今の時点では、プチ整形し終わって「キレイにしていただきました!」とるんるん顔でしたが、あと何年か経つと、二人目の女性のように、「変なおばあちゃん顔」を心配するようになるのでしょうね。
一人目の女性が受けていた施術の「もち」は約1年だそうですが、1年経った来年の今頃、彼女のほうれい線と頬のたるみは、1年前である今の45歳の年相応なのでしょうか、それともシンデレラの魔法がとけたように、来年の実年齢46歳並みなんでしょうか?考えると、殆どホラーです。
二人目の女性も、顔はモザイクがかかっていましたが、しわ取りをした額を見せた時の生え際の感じとか、手の表情を見るに、実年齢の48歳よりも寧ろお疲れのようにお見受けしました。プチ整形の費用を捻出するためのパートの疲れでしょうか?それとも、額のしわ取りをしても、お子様との関係が幸せではないのでしょうか?お子様が描いた「額の一本しわ」とは、何だったのか?本当にそれは単なる「皮膚に刻まれた筋」であったのか?それともお子様の「お母さん、もっと笑って!」の声だったのか?と、テレビのこちら側で色々と考えてしまいましたよ。

つまり、多額のお金を注ぎ込んだとしても、短期間的にはともかく長い目で見ると、プチ整形は、エイジングストレスを解消していない、寧ろ泥沼化させる!ということなのではないでしょうか?


そして次にVTRに登場したのは、お待ちかねの「美魔女」!
まさか、「美魔女」をご存知ない方っていませんよね?
「美魔女」とは

雑誌の企画から生まれた、35歳以上で、年齢を感じさせない若さと美しさ、そして知性を併せ持った女性。毎年コンテストで2000人の中から20人程度選ばれる。選ばれた人たちは「TEAM美魔女」として雑誌やテレビで活躍。

百聞に一見に如かず、ですから、このサイトを見て頂くと「美魔女」とはどんな方々なのか、わかると思います。

TEAM美魔女プロフィール

皆様、1963〜1975年生まれの方々ですから、実年齢は今年38〜50歳の方々ですよ!!!確かに、「魔女」、失礼、「美魔女」というだけあって、とてもアラフォー〜アラフィフの方々とは思えません!!!
しかし。
しかしです、お見受けするに、美魔女の方々は皆様、お化粧の仕方も、お洋服も、そして殆どの方々のカラーした巻き巻きのロングヘアーにしても、20代、30代の若い女性と同じなんですよね。40歳代だからこそのお化粧やらお洋服やらヘアースタイルではないわけで、とすると、これって、「40代女性による、20代30代女性のコスプレ」ではないでしょうか?そして、どんなに頑張っても、コスプレは本家にはかなわない、のです。例えば20代の女性と同じ格好をして並んだとしたら、日夜若さと美を追求することにいそしんでいらっしゃる「美魔女」の方々とて、20代女性が持つ、水をも弾かんばかりの腕や脚の弾力と輝き、頭頂部に「天使の輪」ができる髪の毛の艶と豊かな流れ、思いっきり笑っても目尻にしわなどできない水蜜桃のような肌、には太刀打ちできないことは明白です。「魔女」であっても、時を逆行させることも止めることも、出来っこないのですから。
そして、「娘と歩いていると『姉妹』と間違われる」ことって、「嬉しい」ことなんでしょうか?私にも娘がおりますが、20歳そこそこの娘と歩いていて、彼女と同程度に見られたりしたら、それこそ憤懣やるかたないと思いますけどね。ましてや、「孫と歩いていると、『おばあちゃん』じゃなくて『母親』と思われる」って何ですか、これ?
更に余計なお世話ですが、彼女たちのロングヘアーですが、今現在においても、白髪染めを含むヘアカラー、パーマ、ブローを繰り返していらっしゃる(しかもロングだから薬剤の量も半端ないはず)からこその、20代女性と見た目同じのロングヘアーだと思われるのですが、ロングヘアーというのは、当然その髪の毛の長さの分だけ毛根を下に引っぱりますので、頭皮には良くないそうですよ。遠くない将来、髪の毛が薄くなったり、艶やこしがなくなったりする心配があるのではないでしょうか?えっ?アデランスやアートネイチャーがある?失礼しました、美魔女の方々の、若さと美に賭ける執念を忘れておりました。・・・不肖私が申し上げたいのは、40代には40代のヘアスタイルがあるのではないか?「今だけ若く見えたらよい」ということではなく、白髪や抜け毛に向き合って、この先50代60代も自然に無理せず過ごせるような、ヘアスタイル、ヘアケアを考えるのが40代ではないか、と思っただけです、ごめんなさい。

蛇足ですが、上記の「美魔女プロフィール」の中で一番「若さ」を感じたのは、美魔女の方々のブログの文章でした・・・(とても40代の女性が書く文章とは思えないのですg・・・)
もう一つ蛇足:番組の中で「TEAM美魔女」が歌っている映像のタイトルは「Forever Girl」だそうです・・・(図々しいのかアホなのか・・・)。私としては、別の意味での「美魔女」である、美輪明宏氏のヨイトマケの唄にしていただきたいところですが。



今更ですが、私は「外見の美よりも内面の美の方が大事」なんて綺麗事は信じていませんよ。
「外見は美しいけれども、内面は空っぽ」という例は枚挙に暇がありませんが、逆に「内面は美しいけれど、外見はぐちゃぐちゃ、中身で勝負」という人は、年を重ねれば重ねるほど、いない気がするからです。
何か夢中になるものがあってファッションや外見には気を配る余裕のない若い頃ならいざ知らず、年を重ね、経験を積み、人生の多くのことを楽しみ、辛いことも超えてきた方は、外見もその方の美意識に裏打ちされたものに自然となっていると思います、決して若い世代の物真似なんかではない形で。逆にそれが出来ていないのならば、内面がまだ成熟していないか、何か問題があるのでしょう。
だから、40代になって、「外見は美しいけれども、内面は空っぽ」という方は存在しても、「外見はぐちゃぐちゃだけど、内面の美で勝負」という方は殆ど存在しないのではないか、と思うのです。
だから、外見は、いえ、外見もとても大事です。正確に言うと、「内面の美しさと呼応する外見の美しさ」は大事だと思います。そしてそれは、プチ整形や若者のコスプレ、では到底得られないものなのです。


私自身の「エイジングストレス」を言えば、「お手本になる50代、60代、70代の女性が少ない」ことでしょうか?
エイジングストレスが、「美魔女」の方向に曲がってしまうのも、素敵に年を重ねた「お手本」がいない現状が原因なのかもしれません。身近な肉親、近所のオバサマ方、はたまた街ですれ違うオバサマ方に、「ああいう風に年を重ねたい」と思わされる女性が本当に少ないからなのだと思います。
私は訳あって、毎週1回、東京から鎌倉方面の電車に乗るのですが、朝10時頃は、鎌倉やその先の逗子、葉山にウォーキングにお出かけになられる推定年齢60歳〜70歳半ばの、「老若男女」から「若」を消した方々でいっぱいなのですね。皆様、次の世代の我々や若者と違ってとてもとても裕福な世代ですから、リュックやお帽子やカメラなどの持ち物やお召し物も、一つ一つ見ればお金がかかっていらっしゃる風です。しかし全体的に見ると「がっかり」と申しましょうか、残念な感じなのです、お金をかけただけの外見に見えないのです。何も「流行のファッションに身を包め」と言っているわけではありません、ウォーキングです、ウォーキングだから今も昔も変わらない定番のスタイルというものがあると思うのです。しかし、少なくとも外見は残念なのです。そして内面においても、老男女の皆様は、言葉が通じない外国でもないのに集団行動、舗道は集団で広がってお歩きになり、バスの中では他の乗客がいるのにお互いお仲間を大きな声で呼び合っていらっしゃいますし、元気にウォーキングされた帰りの電車の中では「最近の若者は席なんか譲らない」と聞こえよがしにのたまわれるのですね。こういう時、私のエイジングストレスはマックスになり、「ああはなりたくない!年はとりたくないもんだ!」と絶叫するのです、心の中で。


幸いなことに、私には他の場所でお手本にしたい素敵な年配の女性の方々もいますし、「ああいう風になりたい!」と思わされる女性のコレクションもしておりますので、絶叫は心の中だけで済んでいます。

そのコレクションの中の一冊。
これは、写真家のアリ・セス・コーエン氏が、ニューヨークの街の60歳以上の女性だけを撮ったスナップ写真集です。

Advanced Style--ニューヨークで見つけた上級者のおしゃれスナップ

Advanced Style--ニューヨークで見つけた上級者のおしゃれスナップ

↑ 翻訳本もあるのですね。私が持っているのは下の原書です。
Advanced Style

Advanced Style

  • 作者: Ari Seth Cohen,Maira Kalman,Dita Von Teese
  • 出版社/メーカー: powerHouse Books
  • 発売日: 2012/05/22
  • メディア: ハードカバー
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