鏡音りんの「365歩のマーチ」

365歩のマーチwikipedia:365歩のマーチ

これは今も昔も私にとって、
「one of the most きらいなものs」
の中に入る歌である。
昔、運動会などでこの曲がかかると絶望的な気持ちになったものだ。
今の言葉で言うと、「クサくて」「ダサくて」「イタい」歌だと思っていた。
先ず歌詞がキライ。大体、意味不明だし。

何で、わざわざ三歩進んで二歩下がんなきゃいけない?

そして「あなたのつけた足跡にゃ」の

「にゃ」がキライ!

メロディーもキライ。脳天気な長調の途中、急に「汗かきべそかき歩こうよ」で、

急に短調になるのがキライ!

大人になって嬉しいことは、この手のものと関わることを強制されないこと?もある。

ところが。
先日高校生のムスメがこの、私にとって唾棄すべき歌を楽しそうに、でもかなり真剣に口ずさんでいるのだ!
何故?この歌を知っている世代じゃないじゃない?
・・・聞いてびっくり!

この歌は今、「古文の助動詞の歌」として、Youtubeやにこにこ動画で見られているのである!

鏡音りん

が歌っているんですけど、高校生をお持ちののお父様、お母様、これが誰かわかりますか?

私がこの「鏡音りん先生が歌う、『古文の助動詞の歌』」をYoutubeで聞いて思ったこと:
(いつものステレオタイプの感想だけど)

日本人ってスゴい!

ラテン語の動詞変化を、ボランティアで動画にまとめてupしている人(ラテン語を古典として学ぶ国の人)がいるんだろうか?
いや、日本人なら逆に作ってしまうかもしれない。
これは誰が作っているんだろう?
bizenseto、という人らしいのだが、「高校の古文の先生?」かと思いきや、他にupしている動画を見ると、どうも「鉄オタ」?
はっきり言って他の動画はひいてしまう(「ラヴェルの『ボレロ』に合わせて、山陽本線の駅名全部」とか)。
まあ、それはさておき、私はこういう細部まで作り込まれたものを見ると、心底感動してしまう、日本の未来は明るいと。
ムスメのコメント:「この歌のおかげで助動詞覚えられた!中間テストの前に出会いたかった。」
・・・らしいです。

そして、もう一つ思うことは、この感動(?)を同世代の人と共有できない、っていうか、「Youtubeでね・・・。」とか「鏡音りんが歌ってるんだけど」と言っても、

話が全く通じない!

時々、絶句してしまうのは、中高生、大学生の親が、余りにもネットの中のことを知らないという事実だ。Youtube の名前くらいは辛うじて知っていても、アカウントを持っている親って殆どいない。ニコニコ動画に至ってはその存在すら知らない親が殆どである。
この点に関して最近よく思い浮かぶ言葉は、「Digital divide」。正に「divide」分けられている年代はどの辺なのだろうか。
私の親の世代や、お茶のお稽古でご一緒するおばさま方にとっては、

この世に、「インターネット」なるものは存在しない。

全ての情報源は、テレビ、である。この層がどこまで年齢の幅があるのか?私の世代はかなり浸食されている感じがする。
別に若者に媚びろというわけではないが、ここまで見ている情報が違うと、感受性とか意見の形成の仕方が違くる、ひいては世代間で世論も異なってくるかも、とまで心配してしまう。

それにしても、こんな「365歩のマーチ」の使い方もあったとは・・・。
しかも、これって結構耳に残って、気がついたら口ずさんでたりして・・・。
特に最後の

「りかちゃん、さみしい」

は秀逸。