iTunesで映画配信 そして今更欲しくなったiPad


Appleが日本でもITunes での映画配信を始めた先週の11月11日を狙いすましたかのように、私は病の床に伏してしまいました。勿論、それはAppleとは何の関係もありません。
去年新型インフルエンザに罹るまでは(ムスメに移された!)、
「10年以上風邪を引いたことがない(キリッ」
のが私の自慢でしたが、今年も何のことはない、ムスメの風邪が移ってしまったのですが、38度台の高熱に2日苦しみました。寝る、のが一番の薬とばかり寝まくった私ですが・・・。
熱で寝ていてもある程度寝ると飽きてくるのですよね、寝ていることに。一昼夜寝まくった後、まだ熱が下がらぬまま、余りの退屈さにふらふらしつつもベッドから起きてガウンを着てリビングのソファに座ってみても(冷えピタon おでこ)、新聞を読む気力はないし、テレビは相変わらずくだらないし・・・とその時、思いついたのですね、
「そうだ、昨日からITunesで映画がレンタルできるんじゃない?」
と。瀕死の身体でPCの前に座り、iTunesを開けStoreに行くと、100年前からそこに在ったかのように「ミュージック」の横に「映画」の項目が。
早速映画を物色。「予告編を表示」で見ることもできるみたい・・・。でも、これってTrailerではなくて、本編の最初の部分じゃないのかしらね?映画レンタルせずに、ず〜っと「予告編を表示」をハシゴするだけでも楽しいかもしれませんが。しかし病の身、座っているのも辛いので、早々に見たい映画を2本、手っ取り早く決めてダウンロード。時間がかかりそうなので放置して一旦ベッドへ。Appleさま、1本ずつじゃなくて、まとめてダウンロードできないんですか?これ何とかしてほしいです。?できませんよね?

そして、小一時間後MacBooK(残念ながらまだAirではありません)を抱えてベッドへ。
ああ、こういう時のためにiPad買っておくんだった!!!
と後悔することしきり。年内にも先ず今使っているMacMBAことMacBookAirに買い替える気満々で、「iPhoneMacがあれば、iPadって中途半端で要らないかも。」と思い定めていたのですが・・・。ここに来てその決心が揺らいですぐにでもiPad欲しくなってしまいました。


iPad繋がりで思い出したのですが。愚弟(文系、某メガバンク行員)は日頃はメカには全く関心がなく、携帯はガラケー、PCにもこれといった拘りがないフツーのサラリーマンなのですが、この夏買ったんですね、突然iPad。今までAppleの製品など一つも所持していない彼が何故、殆ど衝動買いと言ってもいい買い方でiPadを買ったのか?


本人談:
「この間アメリカに出張に行った時のことなんだけど、アメリカ国内を移動する飛行機のビジネスクラスに乗ったらさ、今までだとあっちのビジネスマンはもの凄い勢いで飯食ったら今度は皆ガーッと書類か本を読んでいたのに、今回乗ったら殆ど全員と言っていい程、皆が皆、飯食ったらそれぞれがiPadKindleだかしらないけど(もしかしたら彼ははっきりと区別ついてないかも?)取り出して読んでるんだよね。紙の書類とか本とか取り出して読んでるのはボクくらいで、かなり恥ずかしい状況。これは今度出張に来るときまでにはiPad買わにゃいかん!と思った。」


とのこと。「ふん、これまでiPodだって持ってなかったじゃない。」と、何歳になっても「姉」としての上から目線で思っていたのですが、病の床で衝動的にiPadが欲しくてたまらなくなる私も血は争えないとうか、お調子者という点ではご同様ですね。
さて。
iTunesでレンタルしたのは、頭使わなくてもよいアクションもの1本と、絶対に劇場に観には行かないけどどうしても観ておきたかったディズニー映画1本。以前住んでいたマンションでは、ケーブルテレビでオプションで「映画チャンネル」を契約していましたが、これって意外に観たい映画が観たい時にないのですよね。またその時は「観たい」と思って録画しておいても時間が経って気分が変わって結局は観なかったりするものです、映画って。一ヶ月の料金、毎月ドブに捨てているような(美しくない表現ですが)感じでしたね。今のマンションはUSENが入っているのですが、視聴するための機器をレンタルもしくは購入しなくてはならない上にまたしても「バリューパック」とか「見放題パック」と言っても結局は観る時間そのものがなくて、毎月料金が無駄になってしまうのですね。ですから、観る時間がある時に本当に観たいものだけを購入できるというのは、私としては大歓迎。そして特筆すべきはMaciPhoneiPad(病が癒えたら、絶対に買いたい!)で観られる(×観れる)こと。これって、病気の人、子供であれお年寄りであれ長期に入院している人とか、にはもの凄く朗報だと思います。月末からまたNHKで「坂の上の雲」の放送が始まるみたいですが、私は秋山兄弟や今更懐かしむのも如何なものかと思われる「日本海大海戦」のシーンよりも、正岡子規香川照之が「龍馬伝」の「岩崎弥太郎」役に続いて怪演!)の今後の描き方に興味があるのですが、起きることもできない病床で長い療養生活を送った子規の手元にiPadがあれば!と思います。いつもながら脈絡がなく頭に浮かぶフレーズはどこかのメーカーの宣伝コピーだったかもしれませんが、
「人間を幸せにする技術」
まさにこれですね。
追記:その後回復に向かいつつある時に、別のクラシックな映画をレンタルしてiPhoneに移してみました。感動ですよ、手のひらの中で映画が観られるなんて!!!



・・・と熱っぽい頭で考えつつ、思い出したのは、数日前の朝日新聞「声」欄の投書。
投書の主は主婦、福岡県在住64歳。見出しは「録音音声の対応にうんざり」

ロケ地が近隣ということもあり、ちまたで噂になっている映画「悪人」を妹や姪を誘って見ようと思い、近くのシネマコンプレックスに電話した。(要約)

・・・私なんてここまで読んだ時点で、「何で『電話』なの?『シネコン』なんでしょ?Webで見れば?」と突っ込みが入りましたけどね。

ところがなんと録音テープの対応である。うんざりしながら何度か番号を押す。不慣れなためかオペレーターには行き着かず、やっと知りたい開演時間に入ったと思ったら、上映中の映画の題目を順次しゃべり始めた。次第に見にいく気力もうせ、一体何分無駄な時間を費やすのかと腹立たしくなってしまった。(要約)

ネットならば、24時間いつでも自分が好きな情報がとれますよ〜、という突っ込み、再度。

最近このような、電話の向こうは録音テープの音声というケースが増えてきたように思う。聞きたいことは一言なのに聞けない。人件費を節約しているからなのだろうか。(引用)

その通りです!!!人件費を節約しているんですよ!

素早く温かに肉声で対応していただいて、最後に「ありがとう」と言って受話器を置けたら、どんなにか心が満たされることだろうと思った。見たかった映画はやめて、本で楽しむことにした。(引用)

「肉声」でも、突っけんどんな対応のオバサンも往々にしているし、その場合「心が満たされる」のとは正反対の心持ちで受話器を置く事になるだろうし、そもそも映画と本とは、作品としては別物なのだから「映画をやめて本で楽しむ」っているのは違うんじゃない?それより誘うはずだった「妹や姪」はどうなったの〜?「録音音声対応では開始時間がわからなかったから行かない」という説明で納得してくれたのですか?
・・・と新聞読みながら過剰に突っ込んだのは私です。

この投書の主の家族の中で誰か、

・封切り中の映画の上映時間などは、情報誌に出ている。コンビニで立ち読みできる。もしかしたら家で購読している新聞(即ち朝日新聞)にも出ているかもしれない。
シネコンならば必ずやウェブページがあり、そこでは24時間いつでも上映時間を調べることはおろか、チケットは希望の席をネットで買うこともできる。勿論パソコンからでなくても携帯からでも可能。


と彼女に教えてあげる人はいなかったのでしょうか?
それにしてもこの投書を選んで載せる朝日新聞のセンスにも疑問詞「?」付きまくりです。
投書の主は前述のように64歳。平均寿命の80歳までまだまだこの世の中渡っていかねばならないのに、この21世紀を生きていく楽しさに背を向けて、ずっとこの手の投書をし続けるのでしょうか。
このデジタルディバイドを何とかしなければならないと訳も無く義憤にかられる私でありました。


と言いつつ、先日実母から驚愕の事実を聞いてしまった私です。
実母スペック:73歳。頗る健康。PCは使えない。携帯電話はらくらくホン所持。通話と、来たメールに返信することはできる(アドレス登録や、アドレス帳からアドレス探してメール送信、とかはできない)。
実母はこの近年、新潟のどっかのお米の産直農家に電話をかけて直接新米を送ってもらっているらしいのですけれども、アドレス帳(リアルの紙媒体のアドレス帳)を整理した時に、その農家の住所や電話番号を書いた紙を失くしてしまったらしいのです。さて、どうやってその農家に連絡をとるか?PCであれ携帯電話であれネットで検索できる人ならば、そんなことは訳もないことで、Google先生に聞けば一発で教えてくれます。ところが、ウェブに繋がれていない人はどういう行動をとるかというと、104をダイヤルして「NTT 番号案内」に電話をかけちゃうわけです。


実母:
「NTTの人はすごいわね〜。私ったら、農家の名前もうろ覚えで、住所は◯◯町っていうのは憶えてたんだけど、番地も何もあとは雲を掴むような感じだったのに、ちゃんと私が探している農家の電話番号教えてくれたのよ。声もとっても親切そうだった。あなたみたいに(!?)つんけんしていなくて、ゆっくり話を聞いてくれたわよ〜。インターネットなんて無くてもちゃんと親切に教えてくれる人はいるのよ(←これはネット三昧である私への嫌味です、勿論)。それであなたのところにも新米送っておいたから。」


娘である私:
(絶句)・・・・・

恐るべし、NTT番号案内。


この実母には、NTT絡みのこれまたスゴい前科があって・・・。
昔、昔、電話と言えば固定電話を指していた頃のお話です。
当時我が家の固定電話は、1階リビングの小ダンスの上、という、当時電話がありがちな場所にあったのですが、家人が2階にいる時に1階の電話が鳴って慌てて階段を駆け下りる時に危ない思いをする、というケースが重なり、実母は、「これは2階にも電話機を置かなくては、いつか死人怪我人が出る」との思いを強くし、さてそのためには先ず電電公社(←これを知っていれば年齢がわかります)に電話しなくちゃ、と思ったわけですね。その母が、電話に出た「電電公社」の、大代表のオペレーターに何と言ったでしょうか?


実母:
「心の準備ができてないのに電話が繋がったのね。『どちらにお繋ぎしましょうか?』って言われちゃったから、
『2階に電話つけたい係』をお願いします。、って言っちゃったんだけど、ちゃんと繋いでくれたんだから。来週工事に来るらしいわ。」


「2階に電話つけたい係」と言われて、吹きもせず淡々と担当の部署に電話を繋いだオペレーター、エラい!エラすぎ!
(再度)恐るべし、電電公社



前述の投書の主といい、実母といい、デジタルディバイドされた人々がいる限り、シネコンも「音声案内」、NTTは人力の「番号案内」、といったサービスをこの先何十年も続けなくてはならないでしょう、日本は長寿社会ですからね。まさかのサービス打ち切り、なんてことをした日には、朝日新聞に投書されちゃいますよ。
そう言えば以前もこんなテーマでエントリーを書いたことを思い出しました。
iPhone その後 ⑥
これの一部が2chで大量にコピペされているようです。「それが原因で何度かiPhoneから2chの書き込みができなくなった」と言う人あり。それが本当かどうかわかりませんが。自分に責任がないことは自明ですけれど、暫し悩みました。こういうことに関して為す術ってないんですね。それでも、「ブログなんて書いていなければ、ネットなんてなければこういうことはなかった」、という思いには決して至りませんでしたけどね。

さて。
iPadは、Onlineで買うべきか、リアルのApple Storeに行くべきか・・・?
で楽しく悩むことにしましょうか。