iPhone その後② 頑張れ、IT立国日本のオバサン!

日本のフツーの携帯には出来て、iPhoneには出来ないことがある、
というのは実は私は、iPhone を買に行ったSoftbankショップのその場で知った。
しかし時は既に遅し、もう引き返せない地点(どこなんだ?)にいたので、「ええっい、買ってから何とかなる!」と思ってドコモからiPhoneへの乗り換えを断行したのだった。
その「iPhoneに出来ないこと」の中で、デコメや着メロ、添付メロディは私にとってどうでもいい。寧ろ、出来なくなってすっきりした。
しかし実用面で「赤外線送受信」と「QRコード読み取り」が出来ない、と聞いて少し慌てた。何故なら、「アドレス交換」を今更「手書きのメモで交換」するなんて考えられないし、今やどこにでも付いている四角いQRコードが読みとれないなんて!と思ったから。
色々探して(ネットをググれば大勢の人がたくさん有益なアドバイスを書いているから)、無料アプリで「Barcordes」と「メールしてね」(\115)を入れた。
「Barcodes」はQRコードを自分が読み取るためのアプリ。
「メールしてね」というのは、iPhoneの連絡先をQRコードにして表示し、iPhone以外の人に読みとってもらって連絡先を交換する. ためのアプリである。
早速私のPCとiPhone のアドレス、携帯及び自宅の電話番号を入れたQRコードを作り、「アドレス交換をする時のため」に備えた。

ところが。
先日同世代の女性数人、つまり有り体に言ってしまえば子供関係のママたちとメールアドレスを交換する機会があった。
いそいそとiPhoneに私のプロフィールが入ったQRコードを表示させ、
「私の携帯iPhoneだから赤外線送受信できないの。だからこのコード読み取ってもらえる?」
と言ったところ・・・

皆、QRコード読み取りができないw!!!

赤外線送受信ができないw!!!

正確に言うと、「ええっと、この間息子にやり方教わったんだけど忘れちゃった。」「赤外線のポートってどこだっけ?ここ?」(とカメラのレンズを指差している)「受信は出来るんだけど、アドレス送信ってどうやるんだっけ?」という具合で、

自分のプロフィール画面を出して、それを赤外線送信したり、添付ファイルで送る、

という作業がさくさくできないのだ。
加えて。

自分専用のPCアドレスを持っていない

人が結構いる。
ウチの子供達なんて今からかれこれ10年前に今は懐かしい「ポストペット」のアドレスを一人前に持っていたんだけど。

ここで脱線。
今ふと「まだポストペットってあるのかしら?」とググってみて驚きました、まだ存在してる!
携帯世界だけでこれだけ充実しているのに、まだある!
しかも「新作」というところを除いたら、モモ(あのピンクの熊)が何と「古民家カフェ」でくつろいでいる、という設定があった!
日本って、日本人って無駄にスゴ過ぎる!


本題に戻って、これだけ色々なことができる日本の携帯を持っていて、それを使いこなせていないなんて勿体ない、というか将来が不安だ、勿論「日本の将来」。
今は21世紀で、女性の平均寿命80歳だとしてもあと人生の半分ITと生きていかなきゃならないんですけど。
それと感じたのは、日本の場合携帯がここまで便利で普及してしまっているが故に、却って主婦はパソコン出来ない人が多くなっているのかも、ということ。
逆にドイツだと、携帯でメールしない(メール機能はあってもスキルとして出来ない)ので、「メール」というのは全てPCのメールになってくる。だから当然PCは殆ど一日点けっぱなし。
ところが日本だとお友達のPCに長いメールを送って、いつまでたっても返事がないので、携帯で「パソコンにメール送ったんだけど。」とメールすると、

「ごめんごめん、パソコン、月に1回くらいしか開けないから。」

と返事が返ってくることが多いので、この頃はPCにメールを送る時は、同時に携帯にも「今PCにメール送ったよ。」と送ることにしている、まるで山羊さん郵便。
私は真性文系で、夫も同じ。それでも何とか歯を食いしばって(?)世の中に付いていこうとして涙ぐましい努力をしている。
ドイツに5年島流しになっていた夫は、前にも書いたように、日本の携帯は全く使いこなせていなかったのだが、iPhone は苦戦しながらもかなり使いこなしているみたい。PC上のGoogle CalenderとiPhone のCalenderをやっとのことで同期して「便利になった!」と言っている(しかし、紙の手帳にもしっかりそれを書き写しているところがどうなの?)。

サラリーマンで今PC使えない、なんてありえないと思うし、自営業だとおじさん、おばさん問わず使えるだろう。
とすると、今「敢えてPC使えなくても生きていける」のは、専業主婦?
勿論、専業主婦でも随分以前からホームーページ作ったり、クックパッドにせっせと投稿する人もいるのでいちがいには言えないが。
友人が言っていたことで、私も激しく同感したのだが、今学校の役員をやると、役員諸姉の中に簡単な書類1枚パソコンで作れない、書類を添付ファイルで送れない、簡単な会計がエクセルを使ってまとめられない、ていうママが結構いて驚くそうだ、私も驚いた口だけど。
そういったスキルがないのに、役員に立候補、じゃなくても役員を引き受けるってどうよ?というのが彼女の言い分。
友人は役員間でファイルを共有して仕事をしようと思ったところ(これってフツーでしょ)、「私はパソコンできないんですけど、私を仲間外れにするつもりなんですか?」と言われてファックスで多量のプリントを送ったそうだ。

「何でこの時代に、ファックスでせこせこプリント送んなきゃいけないのよぉ!」

はい、ごもっとも。
そうでした、ファックスというものが少し前まであったのでしたね。
そういったママたち、これから先どうやって生きていくのか、そのまま突っ走るのか、とても心配(反語)。

真面目な話、

Digital divide

という言葉の意味が私は初めてわかるような気がする。
いくら多機能な日本の携帯でも、やはりPCを通じて獲得する情報の方が圧倒的に量は多い気がするのだけど。
携帯は携帯で使いこなすべきだし、PCは当然のスキルというか基本的道具。
今まで「オヤジ」「オジサン」と中年男性が揶揄られてきたが、もうすぐそれが中年女性=オバサンと選手交代するかもしれない、と思った今日この頃であった。


単に「携帯が使いこなせる/使いこなせてない」「パソコンが使える/使えない」に留まらないDigital divideについてはまた別の機会に。