笹井氏の自殺を許せません。

丁度、52歳と5ヶ月生きて去る8月5日、笹井氏は自ら命を絶ちました。


「笹井氏自殺」の報を受けて、報道やSNSでの笹井氏に関する論調がガラリと変わりました。

笹井芳樹という科学者は、ノーベル賞を受賞した京都大学の山中教授に勝るとも劣らない、世界的にも高く評価された科学者であり、研究分野のみにとどまらず理研CDB設立当時から今日まで文字通り先頭に立って理研を引っ張ってきた実力者であった、責任感が強く3月には既に副センター長を辞任する旨を上層部に伝えていた、また研究室閉鎖の場合の研究員の身の振り方も親身に相談に乗っていた人格者、

と語られています。
最早「であった」「いた」と過去形で語らなければならない故人になってしまったのですが。
「惜しい科学者を亡くした」という論調一色です。
しかし、笹井氏が自死する直前まで、つまりほんの数日前まではどうだったでしょう?


山中教授及びiPS細胞が脚光を浴びていることに笹井氏が嫉妬して、巻き返しをはかったのがSTAP細胞。派手な広報も含めてSTAP細胞の黒幕、理研の予算獲得で力を奮いそれで建設された建物は「笹井ビル」と呼ばれている、小保方さんを過度に重用し論文指導をしていたが、4月の会見では自らについては責任逃れの弁明に終始した卑怯者、


と、マスコミは笹井氏のことを語ってはいなかったでしょうか?
どちらが、本当の笹井氏なのでしょう?


自死、という現実は、本人に対する評価を書き換えるべきことなのか。
「死屍にはむち打たず」と、日本人らしい振る舞いで、この件を終わらせてよいのでしょうか。


また、笹井氏の死後すぐに、彼が、騒動が起こった直後の2月から心療内科を受診し、3月には一ヶ月入院していたこと、最近では薬の副作用のせいか会話が困難であったり研究室内で議論ができない状態であったことが、理研の広報から、また氏を知る人からの情報として出てきたので、「笹井氏の自死は、彼の正常な判断によるものではないから、議論すべきではない。」という雰囲気も次第に大きくなり、自死を批判するのに代わって、ますます笹井氏の業績を惜しみ讃える報道や発言が増えているのが現状です。
例えば、finalvent氏は、ブログの中でこう言っています。

私の印象は、氏の自殺は、通常の精神疾患の帰結であり、それ以上の意味はないだろう、というものである。
 つまり、氏に限らない。そういう精神状況にある人には一定の自殺の危険性があり、そこが十分にケアされないとき、自殺の事態が起こりやすくなり、今回は偶然死に至った、というだけのことだと私は思う。


しかし。
笹井氏は、医者です、それも京都大学医学部の、そして博士号を持っている医者であり、科学者なのですよ。
抗鬱薬の副作用について、無知な我々一般の人間とは違うのです。
それをあたかも、医学博士である彼を、我々一般の無知な患者と一緒にしてしまって、つまり、「薬の副作用の犠牲者」にしてしまってよいのか。
そして、彼が現在の日本で最高の知性を持つ一人であったことを考えると、「抑うつ状態にあり、薬の副作用もあり、結果偶然に自死を選んだのであり、責任はケアを怠った周囲(即ち、理研)にある。」と、笹井氏のSTAP細胞騒動における責任まで免罪してしまうというのは、逆に、笹井氏に対して礼を失することではないかと、私は思います。

科学者として一番脂が乗った53歳という年齢で研究を完遂することなく放擲し、また社会的地位と責任、家庭における責任を果たすことなく、自らが率先してこの騒動に巻き込んでしまった小保方氏の去就に責任をとることなく、自死という道を選んだ笹井氏。
うやむやなまま封印してしまってもいいのか。



彼が何故、自死を選んだのか、考えてみました。


今から4ヶ月ほど前、笹井氏は理研のバッジをつけて、会見に臨みました。
私は会見の一部始終を見ましたが、笹井氏は、彼を形容する時によく使われる「論文の理論的構成の天才」という形容に相応しく、徹頭徹尾論理的で、能弁で、時には笑みさえ浮かべる余裕を見せ、そして自分の責任については一刀両断否定しました。
画面を通して見ていた私の目には、ダースベイダーのように、つまり頑強な自己防衛の理論で武装した、難攻不落の人に映りました。
あの時、会見場にいたマスコミの記者、フリーのライターの方々の目にも、同様に映ったのではないかと思うのは、この会見を受けての報道は、「笹井氏、責任逃れ」というものであったことでわかります。
素人の私は会見の映像からでは、「直前の一ヶ月、心療内科に入院していた」とはとても推察などできませんでしたが、それはプロであるマスコミの方も同様だったわけですね。事前に取材とかしなかったんでしょうか。または、取材で入院の事実を知ってはいたが、笹井氏をダースベイダーに仕立てるために敢えて報道しなかったとか?
また、マスコミついでに言うと、先月27日「NHKスペシャル」で「STAP細胞不正の深層」という番組を放送し、その中で笹井氏と小保方氏の私信メールまで暴露したNHKは、その番組の中でも、一言も、「笹井氏は、心療内科に一ヶ月入院するほどの心労だった。」とは触れていないわけで(これは特ダネの部類です)、さすがのNHKもそこまでの取材力はなかったのでしょうし、その程度の取材であの番組を作ったのでしょう。
ともかく、NHKを含むマスコミは、あの会見で笹井氏のことを、ダースベイダーだと見なしたからこそ、以後も、氏に関しても小保方氏に対するのと同様に酷い報道を繰り返したわけです。
SNSやブログでこの問題について意見を述べる人たちも皆、笹井氏をダースベイダーとして扱ってきました。

会見では笹井氏が付けていた理研のバッジも、「保身の象徴」として捉えられていましたよね。

それが、今回の氏の自死を受けての、氏の上司である竹市センター長の会見では、竹市氏は「彼の名誉のために言っておきますが、彼は3月の時点で辞意を伝えていた。」と語ったのです。「名誉のために」というのは、「責任逃れをするような人物ではない」という意味なのでしょうが、それと、4月の笹井氏自信満々の会見は、整合しません。笹井氏がそれを説明しないまま自死した今となっては、笹井氏の本心は、永久にわからないままですが、一つだけ言えることは、一視聴者だった私と同様、マスコミのプロの方も、会見の一ヶ月前に辞意を伝えていた笹井氏の本心は見抜けなかったということです。

笹井氏は、自分の研究室が閉鎖されることを見越して、研究室のメンバーの就職先を探したり未完成の論文の指導をしていたそうですから、竹市氏が言うように、笹井氏なりに、責任をとって辞任した後の道筋も見えていたし、描けていたのではないかと思います、少なくとも4月の会見から最近に至るまでは。
ストレスからくる心労は大きなものであったでしょうが、それでも笹井氏は理研に出勤していました。



それが何故、今頃になって自死を選んだのか。

分子生物学会・日本学術会議NHK」のせいである。


と言っている方もいます。→ Open ブログ 笹井さんを死なせたのは誰か?(STAP)

確かに、日本分子生物学会は先月、立て続けにSTAP細胞理研の対応について、激しく批判しています。

理事長声明「STAP細胞論文等への対応について、声明その3」・・・7月4日

STAP細胞問題等についての、理事、元役員経験者からの自主的なコメント

日本学術会議も同様です。

日本学術会議幹事会声明 「STAP細胞事案に関する理化学研究所への要望と日本学術会議の見解について」・・・7月26日

そして、7月27日に放送された、NHKの番組は、小保方氏と同様、笹井氏にとってもショックなものだったことでしょう。


でも、これらは、笹井氏にとっては何の破壊力もなかったでしょうし、自死の直前まで多忙を極めていたという笹井氏はそもそも分子生物学会や学術会議の声明など読んでいない、目にしていない、NHK渾身の番組もそもそも観ていない可能性だってかなりあります(小保方氏は視聴していないそうですし)。


それよりも、笹井氏にアッパーカットをくらわし、不死身のダースベイダーでさえ立ち上がれないほどのダメージを与えたのは、これ、岸輝雄氏が委員長を務めた改革委員会が出した提言書、だと、私は確信します。


研究不正再発防止のための提言書  研究不正再発防止のための改革委員会 委員長 岸輝雄・・・6月12日



このPDF 30ページにわたる提言書は、笹井氏が今までの人生を懸けて築き上げてきた全てを否定し、奪い、目の前で破壊してしまうものでした。
「人生を懸けて築き上げてきた全て」とは、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(CDB)です。

この提言書は、あまり大きく報道されなかったのか、STAP細胞問題ウォッチャーの私も見落としていました。今回笹井氏の自死を知って、理研のサイトを見ていてみつけて読んで、その内容に驚愕しました。
この提言書、発表されたのが、6月12日。ワールドカップ開幕日前日!!!
日本中がお祭り騒ぎで浮かれていたのですから、内容も発表されたことさえ誰も気に留めなかったのでしょう、私もですけど。

でも、笹井氏はこれを精読したに違いありません。
何度も読み返し、笹井氏の高度な論文構成力を以てしても、この提言書の内容を覆す理論立ては見つからず、世の中がワールドカップで浮かれている中、一人絶望したのではないかと、私は提言書を読んで想像しました。

恐ろしい提言書です。
先ず、理研理研の調査委員会が、今までの調査、対策の拠り所にしていた「研究不正防止規程」をバッサリ切って捨て、広義の「捏造、改ざん、盗用」で判断すべきだと宣言しています。

またそもそも「研究不正再発の防止」における「不正」を、理研の「科学研究上の不正 行為の防止等に関する規程」(平成 24 年 9 月 13 日規定第 61 号。以下、「研究不正防止規程」 という)に定義された「捏造、改ざん、盗用」に限定して考えようとする向きがあるが、この狭義の不正の定義に固執することは、元来、理研が社会の信託のもとに存在するとの 常識的な視点に立てば、不自然であり、科学者コミュニティにおいて要求される規範から の逸脱行為である「科学としての不正」こそが防止するべき対象であることは明白である。

つまり、理研と調査委員会が、自浄作用として取り組むにあたって拠り所にしていた規範をのっけから破壊され、いわゆる「悪意」があろうがなかろうが、「科学としての不正」を判断すべきであり防止すべきである、と言われてしまったのです。
これに則れば、小保方氏は勿論アウト、笹井氏、丹羽氏もアウトになる可能性大です。
否、笹井氏ほどの人ならば、提言書が広義の不正の定義に変更すると宣言しても、STAP細胞研究は現行の研究不正防止規程の下に行われた研究であるから理論上は免れる、と考えたかもしれません。
しかし、その後延々と続く、CDBの「改革」について読んだ笹井氏は凍り付き、絶望したのではないかと想像します。


現行のCDBの体制や雰囲気、それは取りも直さず笹井氏が目指した形であったのだと思いますが、それは例えば、

風通しがよい体制、気心がしれて互いに信頼できるGD(グループ・ディレクター)数名での素早い意思決定、年次や学歴や縁故ではないフレキシブルな人材の獲得や抜擢、それを可能にする「伯楽」としての能力を兼ね備えたGD、欧米の研究所並の高度な研究倫理教育の徹底、年功序列ではなく研究の成果によって評価される実力主義の組織、

のようなものであったと想像されます。笹井氏にはCDBという理想とする組織を築いてきた自負と自信があったことでしょう。
ところが、提言書はこれを全て否定します。

ガバナンスが緩んでいる体制、GDの馴れ合いで物事が決まる組織、掟破りで小保方氏を採用するという規則を逸脱した人事、小保方氏の研究者としての未熟さを見抜けなかったGDの無能、研究倫理に関する講演会も実際は低い出席率、管理者対象の研究倫理研修の参加率も低迷、管理職に配布して内容を確認した旨の「確認書」の提出まで義務づけられている理研自慢の「研究リーダーのためのコンプライアンスブック」であるが、小保方氏もこれを配布され確認書を提出していたところから形骸化している、iPS細胞研究を凌駕する画期的な成果を獲得したい動機によって小保方氏を採用するに至った、


と、笹井氏が理想とした価値観を180度引っくり返され、断罪されています。
極めつけが、CDBへの提言として、

任期制の職員の雇用を確保したうえで早急にCDBを解体すること。新たなセンターを 立ち上げる場合は、トップ層を交代し、研究分野及び体制を再構築すること


と書かれていることです。しかも、CDBと笹井氏にとっては屈辱的なことに、

ひとり理研のためではなく、京都大学 iPS 細胞研究所(CiRA) との協力関係の構築など、この分野での日本全体の研究力強化に貢献し世界を牽引する研 究を推進する観点で、研究分野及び体制を再構築すること。CDB 以外の生命科学系センタ ーとの合体、再編成も視野にいれること


とされ、だめ押しに、2012年にCDBのアドバイザリー・カウンシルが出した提言を引っ張りだして引用しています。

“Seek to establish a harmonious and constructive relationship with Dr Yamanaka and CiRA with respect to iPS cell research.”

ここに出てきた、かの山中氏は、言及される時にはいつでも「京都大学の」と形容されますが、山中氏は神戸大学の出身です。よく山中氏ご自身が語っているように、「手術がド下手で『じゃまなか』と言われた整形外科医」であった山中氏は、大阪市大で博士号取得、という、学部でも大学院でも京都大学では一切教育は受けておらず、留学とNAISTを経て、京都大学医学部の教授に、まさに笹井氏の後任として招かれた方です。そんな山中氏が、iPS細胞でノーベル賞を受賞し、京都大学の名誉を一身に担う立場になったわけです。かたや学部から京都大学で、36歳の若さで母校の教授になった、その限りではこの上ない日の当たる道だけを歩いてきた笹井氏ですが、誰よりも笹井氏ご本人が、「京都大学の」と形容される、ノーベル賞受賞者を夢見ていたのではなかったか。
それは、山中氏に対する対抗心でも、笹井氏本人の名誉欲でもなく、「責任感」「使命感」のようなものではなかったかと思うのです。
だからこそ、小保方氏のSTAP細胞研究を判断する目に曇りが生じてしまった、小保方氏自身の未熟さを過小評価(!)してしまったのでは?
それを笹井氏が一番痛切に感じていたであろうところに、この提言書です。

笹井氏に最後の一撃を与えるごとくのだめ押しのだめ押しに、この提言書の最後の一文は、朝永振一郎氏の言葉が引用されて締めくくられています。


自由な発想が許される科学者 (研究者)の楽園を構築すべく、理研が日本のリーダーとして範を示すことが期待され る。

「科学者の楽園」とは、京都大学出身で、理研の研究員を経て、ノーベル物理学賞を受賞した朝永振一郎氏が、理研を評して述べた言葉だそうです。
笹井氏は、全力を注いで、彼なりの「科学者の楽園」を築いてきました。
自らの研究に邁進することや、研究室の科学者を育てるだけではなく、国と交渉して予算を獲得し、神戸市と折衝して研究棟を建て、茶目っ気ある振る舞いが有名だった朝永氏に負けないほど多能で多芸な才能を発揮し、「科学者の楽園」を作り上げたと確信していたと思います。
山中氏に先を越されたノーベル賞よりも、「科学者の楽園」であるCDBを作り上げたことこそが、笹井氏の誇りであり、アイデンティティの全てであったと思います。
それを、解体する、しかもiPS研究と協力・合体することを提示されたら?

笹井氏は、そんなCDBなど見たくはなかったと思います。
そんなCDBを見るくらいなら、生きていたくなかったのではないでしょうか?
論文執筆の名手、希代の理論家である笹井氏は、もういかに自分が奮闘しても、自分が作り上げたCDBを今のままにとどめておくことは1%の可能性もないことを、将棋の名人が何百手先まで見通せるようにはっきりと見通せたのでしょう。


CDBの解体という、恐ろしい未来の前には、STAP細胞など、笹井氏にとってはもうどうでもよいことになってしまっていたのかもしれません。
STAP細胞問題について最後まで見届けるとか、小保方氏に対する責任とか、それらは二義的なことになっていたのでしょう。


いつ、自ら死を選ぶことを決めたか、それはわかりません。
しかし、それは、マスコミが言うような、「理研という組織に追いつめられて」とか「抗鬱薬の副作用で」とかでは決してなく、笹井氏の本質である「明晰さ」の中で下された判断である、と私は思いたいですし、信じたいです。

「死屍を鞭打たず」とばかりに、安易な理由を見つけて、彼の自死を曖昧にしてしまうのは、笹井氏に対する冒涜ではないでしょうか。


遺書を何通もしたため、ロープを用意し、明け方のCDBの中を彷徨したのでしょうか。
間違いなく、笹井氏の人生の全てが詰まったCDB以外に、そして遠くないうちに解体されて今の姿ではなくなるCDB以外に、最期の場所はなかったのでしょう。
笹井氏が発見されたのは、研究拠点である発生・再生科学総合研究センターではなく、笹井氏自身の研究室がある先端医療センター研究棟2階でもなく、iPS細胞の研究もしている先端医療センター研究棟4階と5階の階段の踊り場だったそうです。
何故、CDBの中でその場所を選んだのか、今となっては笹井氏に尋ねる術はありません。



それでも尚、私は自殺を非難します、笹井氏の自殺を許せません。
死屍に鞭打ちます。
笹井氏にとっては、もうSTAP細胞問題などどうでもよいことだったかもしれませんが、世の中に生きる凡人である私たちは真実を知りたいとずっと思っているわけです。
本当に存在したのか?存在しないのならば、どうしてそういうことになったのか?
明晰でならした笹井氏には、それを解明する義務があったのに、その義務を放擲して自殺したことは許せません。
とても嫌な無力感を人々に残したまま、自殺の道を選んだ笹井氏を許せません。


笹井氏にとって、自らが築き上げたCDBの解体は「絶望」そのものだったのかもしれません。
その「絶望」が現実になるなら、生きている価値はないと思ったのかもしれません。
しかし、2011年3月11日を経て、笹井氏は知らなかったのでしょうか。
妻、長男夫婦とその幼い子供、老いた両親、それら家族を全て津波で失って、たった一人生き残った男性が、自宅の再建に立ち上がっていること、
三人の子供全てを津波で失った残された夫婦が、また生きていこうとしていること、
また、医者でもある笹井氏は、数多くの難病患者を見てきたのではなかったのか。
病気のせいで人生の楽しみをことごとく奪われて、「生きていること」だけが希望になっている患者の方々。
笹井氏の「絶望」は、本当に「絶望」と言えるものだったのか。
彼が医者として今まで救った数多の命と同じく、笹井氏自身の命も尊いものであること。
それについて、最期の瞬間に笹井氏が、あの明晰な頭脳を持つ笹井氏が、思いを巡らすことなく、自死を選んだのが、本当に本当に残念です。


ご冥福をお祈り申し上げます。