書評

 「服従」(ミシェル・ウエルベック著)が描くのは男性にとっては実はユートピアで、女性にとっては絶望のディストピアであるということ

読後感があまりに酷くて、書評を書く気にもなれなかったのが、この本「服従」(ミシェル・ウエルベック著)です。 念のため、作品が酷いのではありません、作品自体は高度に洗練され教養に溢れた近未来小説の傑作と言えるべきものです。 酷いのは、読後感、…

 毎日新聞記者・須田桃子氏の「捏造の科学者」を読んでもSTAP細胞問題は見えてこない

前のエントリーで、駄本を3冊紹介したのですが、新年明けて読んだ今年第一冊目の本がこれまた駄本だったので、その残念さを改めて紹介します。 毎日新聞科学環境部の記者で、STAP細胞事件の記者会見でおなじみの(?)須田桃子氏による「捏造の科学者」捏造…

年末年始に読んだ、駄本3冊 「その女アレックス」「33年目のなんとなく、クリスタル」「フランス人は10着しか服を持たない」

2014年〜2015年の年末年始、本なんか読んでる場合じゃない忙しい中、貴重な時間を割いて読んでしまい後悔している駄本を3冊紹介したいと思います。 年末年始じゃなくても、よほどおヒマな方以外には全くオススメできない本ばかりですが。 先ず1冊目は、「そ…

 超がっかり!! 小室淑恵氏著「子育てがプラスを産む『逆転』仕事術 産休・復帰・両立、すべてが不安なあなたへ」を読んで

子育てがプラスを生む「逆転」仕事術 産休・復帰・両立、すべてが不安なあなたへ (メンターBOOKS)作者: 小室淑恵出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2014/01/21メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る私は、Kindleで読みました。子育てがプラ…

 濃くて、勇気ある一冊、ジェーン・スー著「貴様いつまで女子でいるつもりだ問題」を読んで 雑感

貴様いつまで女子でいるつもりだ問題作者: ジェーン・スー出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2014/07/24メディア: 単行本この商品を含むブログ (19件) を見る この手のエッセイとしては、非常に文章が上手く、濃密な一冊です。 類似の本では、単行本の体裁はし…

「帰ってきたヒトラー」を読んで 雑感 この本がドイツでベストセラーとなった意味

帰ってきたヒトラー 上作者: ティムールヴェルメシュ,森内薫出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2014/01/21メディア: 単行本この商品を含むブログ (31件) を見る帰ってきたヒトラー 下作者: ティムールヴェルメシュ,森内薫出版社/メーカー: 河出書房新社…

 ユーミンの歌が流れない時代  酒井順子著「ユーミンの罪」を読んで 雑感

ユーミンの罪 (講談社現代新書)作者: 酒井順子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2013/11/15メディア: 新書この商品を含むブログ (24件) を見る ユーミン聴いて青春過ごした世代なので、大変面白く読ませて頂きました。が、今この歳になってユーミンを聴くこと…

may_romaさんこと、谷本真由美氏著「キャリアポルノは人生の無駄だ」を読んで 雑感

キャリアポルノは人生の無駄だ (朝日新書)作者: 谷本真由美(@May_Roma)出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2013/06/13メディア: 新書この商品を含むブログ (8件) を見る私はKindleで読みました。キャリアポルノは人生の無駄だ (朝日新書)作者: 谷本 真由…

同世代の女性の半生記としての「不格好経営」を読んで 雑感

不格好経営―チームDeNAの挑戦作者: 南場智子出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社発売日: 2013/06/11メディア: 単行本この商品を含むブログ (52件) を見る 私は、この本の著者である南場智子氏とほぼ同年代ですが、この「不格好経営」という本を、ビジネス本…

心ならずも読んでしまった、村上春樹最新作「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」 雑感

もう新作が出ても買わないつもり、読まないつもりだったのに*1・・・買って読んでしまいました、それも発売日に。 アレルギー・クリニックに行く途中、「今日は予約とっていないから待たされるかも。じゃ、本でも買っていこうかしら。」と本屋さんに入ったの…

朝井リョウ著「何者」の、ネタバレをぎりぎり回避した(回避できてないかも?)感想

2012年の暮から2013年のお正月にかけて、年を跨いで読んだ本。 何者作者: 朝井リョウ出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2012/11/30メディア: 単行本購入: 7人 クリック: 317回この商品を含むブログ (96件) を見る 「作者の朝井リョウって誰?」とおっしゃる向…

*「英語」はそんなにスゴい言語か?① ・・・「日本語が亡ぶとき」「日本語は亡びない」雑感  

私は最初に水村美苗氏の「日本語が亡びるとき」*1を読んだ時に、強烈な違和感を感じた。「違和感」はかなり控え目な表現で、殆ど 「それは違うだろ!」 と優雅なマダムらしくもなく(?)頻繁に突っ込みを入れつつの読書であった。ところが、他ならぬ小飼弾…